この記事の概要
ここでは、建築系のおすすめの資格を紹介します。どのような人が取得されているか、受験資格はどのようなものか、独学で合格可能かなどについて説明します。是非参考にしてください。
インテリアプランナーとは?
インテリアプランナーって何?
一級建築士などと同じ公益財団法人建築技術教育普及センターが実施している試験です。
インテリアプランナーは、高品質で魅力的なインテリア空間をトータルに実現できる設計能力を持った資格者に与えられる称号であり、インテリア設計等に関し、建築士の業務と共通部分を持ちつつ、専門的、高度なまたは独自の知識・技能を有する者として、試験・登録・更新講習制度により、その能力を審査・証明されたプロフェッショナルです。
公益財団法人建築技術教育普及センター 新しくなったインテリアプランナー資格制度 https://www.jaeic.or.jp/shiken/ip/index.files/new-interior-planner201707r.pdf
インテリアコーディネーターとの違いは?
インテリア関係の仕事を円滑に進めるためには、建築についての知識がどうしても必要となります。
なので、インテリアコーディネーター試験でも建築の知識について問う問題が出題されます。インテリプランナーも同様に建築の知識が必要となりますが、運営元が建築士を実施しているところと同じこともあり、より建築によった資格であるといえます。
たとえば、建築士(一級建築士、二級建築士、木造建築士)については1次試験が免除され、2次試験から受験することができます。
また、所定の課程を修了していない場合や建築士でない場合、インテリアプランナーとして登録するために実務経験がいることもインテリアコーディネーターとの違いの1つです。
インテリアプランナー(IP)になるには?
インテリアプランナー(IP)になるためには、建築士、アソシエイト・インテリアプランナー(AIP)、1次試験合格者(合格年含めて5年間)の場合とそうでない場合の2種のルートがあります。
アソシエイト・インテリアプランナーとは准インテリアプランナーとして位置付けられています。
①建築士、アソシエイト・インテリプランナー、1次試験合格者(合格年含めて5年間)
1次試験が免除され2次試験から受験できます。見事試験に合格し、登録することでインテリアプランナーとなれます。
2次試験受験 → 合格 → ※インテリアプランナー登録
※インテリアプランナー登録については後述します。
②そうでない方
1次試験から受験しなければなりません。
1次試験、2次試験に合格し、登録することでインテリアプランナーとなれます。
1次試験受験 → 合格 → 2次試験受験 → 合格 → ※インテリアプランナー登録
※インテリアプランナー登録については後述します。
いずれの場合も2次試験に合格してから5年以内にインテリアプランナーとして登録する必要がありますが、所定の講習を修了することにより、遅延登録を受けることができます。
インテリプランナーの登録の有効期間は5年で、更新の登録をするためには更新講習を修了しなければなりません。また、有効期間を過ぎて登録が抹消された場合であっても、所定の講習を修了して、所定の登録要件を満たすことにより再登録を受けることができます。
アソシエイト・インテリアプランナー(AIP)
1次試験に合格した人は、合格してから5年以内に登録を受けることによりアソシエイト・インテリアプランナーとなることができます。
アソシエイト・インテリアプランナーの登録の有効期間は5年で、更新の登録をするためには更新講習を修了しなければなりません。なお、有効期間を過ぎて登録が抹消された場合の再登録制度はありません。
インテリアプランナーとして登録するには?
下記の3つのパターンに分けられ、区分に応じて登録条件は異なります。
- 所定の教育課程を修了している人(2次試験合格後登録可)
- 建築士(2次試験合格後登録可)
- 1、2と同等以上と認められる者(2次試験合格後登録可)
- 上記以外(2次試験合格後、実務経験2年以上経て登録可)
1.の場合で2次試験合格時、学生の場合は卒業後、登録が可能となります。
実務経験には何が含まれる?
分類 | 実務内容 | 実務経験年数の計算方法 |
「インテリアに関する実務経験」として認められるもの | インテリアに関する次のa.~f.に掲げる業務を専門的に行っている場合(注1、注2) a.企画 b.設計 c.工事監理 d.施工管理 e.研究・教育 f.その他(積算・セールスエンジニアリング等) | 実務期間の全部が「インテリアに関する実務経験年数」として計算できます。 |
一部が「インテリアに関する実務経験」として認められるもの | 1)業務の一部に「インテリアに関する実務経験」として認められない業務を含む場合 (2)一定期間「インテリアに関する実務経験」として認められない期間を含む場合 | 実務期間の一部が「インテリアに関する実務経験年数」として計算できます。 (1)実務に従事した業務のうち「インテリアに関する実務経験」の占める割合を乗じたものが、「インテリアに関する実務経験年数」になります。 (2)「インテリアに関する実務経験」として認められない期間を除いた期間が、「インテリアに関する実務経験年数」になります。 |
「インテリアに関する実務経験」として認められないもの | 1)インテリアに関する業務であっても上記a.~f.以外の業務を行っている場合 (2)インテリアに関する業務であっても単純労務、一般作業である場合 | 「インテリアに関する実務経験年数」として計算できません。 |
(注1)建築物全般を対象とする業務の取扱い
建築物全般を対象とする設計・工事監理・施工管理・研究・教育等の業務を行っている場合は、一般には内部空間の環境・意匠等に係るものが、大きなウエイトを占めていると考えられるので、「インテリアに関する実務経験」と見なされます。
ただし、建築物に関する業務であっても、構造計算や配管・配線の計画等を専門に行っている場合など、インテリアに直接関係しない業務は、「インテリアに関する実務経験」とは見なされません。
(注2)インテリアエレメントを対象とする業務の取扱い
空間設計の重要な構成要素であるインテリアエレメント(家具、照明器具、オフィスファシリティ等)を対象とする設計(デザインや選定・配置)、工事監理、施工管理、研究・教育等の業務を行っている場合は、一般には内部空間全体の環境・意匠等を想定しながら行う業務が大きなウエイトを占めていると考えられるので「インテリアに関する実務経験」と見なされます。
試験概要
受験資格
年齢、学歴、実務経験に関係なく、誰でも受験することができます。
試験方式
試験は2部構成で、1次試験と2次試験があります。
1次試験:学科試験(2時間30分)
出題数 | 50問 |
出題形式 | 四肢択一式 |
出題分野 | インテリア計画、インテリア装備、インテリア施工、インテリア法規、建築一般 |
2次試験:製図試験(6時間)
出題内容 | 建築物における空間の使われ方、生活のイメージが判るようなインテリア設計 |
要求図書の種類 | 設計主旨、平面図、断面図、展開図、天井伏図、透視図、一部詳細図、仕上表、家具表 等のうち指定するもの |
設計課題の発表 | 例年6月中旬に発表されます |
申込み期間は?試験日は?
受験申込は前期と後期があります。
[前期]
対象者:1次試験または2次試験の受験申込者
→ 1次試験初受験の方、建築士やAIP、1次試験合格者が対象
申込書の配布期間:例年3月中旬~4月中旬(3月19日~4月24日)
配布方法:配布場所での受取または、郵送
申込期間:例年3月中旬~4月中旬(3月23日~4月24日)
試験日:6月中旬
()内は令和2年度のものを参考に示しています。
[後期]
対象者:2次試験の受験申込者
→ 1次試験を初めて受験し合格された方、前期で申込みできなかった方が対象
申込書の配布期間:例年8月下旬~9月下旬(8月31日~9月25日)
→1次試験を初めて受験し合格された方には自動で送られてきます。
配布方法:配布場所での受取または、郵送
申込期間:例年9月初旬~9月下旬(9月1日~9月25日)
試験日:11月中旬
()内は令和2年度のものを参考に示しています。
試験地は?
札幌市・仙台市・東京都・名古屋市・京都府・大阪府・広島市・福岡市・沖縄県
沖縄県は学科のみとなります。
必要書類
下記の書類が必要となります。
(1)受験申込書
(2)写真2枚(縦4.5cm×横3.5cm)
(3)振込証明書
(4)建築士の免許証の写し(建築士の資格で設計製図試験の受験申込の場合)
受験手数料
学科試験:¥9,900-
製図試験:¥16,500-
どのような人が受験してるか?
インテリアプランナーとして登録されている方
登録者の80%は建築士です。職業はインテリア設計・施工会社や建築設計事務所、総合建設業、プレハブ会社、不動産業などと多岐に渡ります。
男女比は2019年度の例で男性で55.5%、女性で44.5%です。
建築士の場合はインテリアを含めてトータルな提案をできるようになること目的としており、建築士で無い方に対しては建築士と協働してすぐれたインテリア空間を生み出すことが期待されています。
アソシエイト・インテリプランナーとして登録されている方
登録者の70%が学生です。
誰でも受験可能にすることでインテリアに興味がある人を惹きつけ、これを足掛かりにインテリア設計への関心が高まっていくことが期待されています。
合格率
1つ目のグラフは1次試験2次試験通じての合格率を表しています。例年の合格率は27%程度です。
1次試験のグラフをみるとAIPの制度ができた2016年度から受験者数が増加していることが見て取れます。また、1次試験の合格率は60%~70%とかなり高い結果が出ています。
一方で2次試験の合格率は23%~28%で1次試験に比べて合格率がかなり低いことが分かります。
独学での取得は可能か?
実務に近い試験であるため、建築士の受験者が多い印象です。
インテリアコーディネーター試験と比べると少し敷居が高いです。インテリアだけでなく建築についてもより理解を深めたい方にとってはおすすめな資格であると思います。
独学については可能であると思いますが、二級建築士と同じで建築系でない方の独学は少しハードルが高いと思います。
また、テキストについては、過去問や解説等を掲載した『インテリアプランナーガイドブック』が試験元より出ていますのでそちらを使用するのが良いと思います。