この記事の概要
インテリアコーディネーター試験の合格のために『概略編』『必要な道具とおすすめテキスト編』『実施編』の3部構成で解説していきます。
まず、1回目の『概略編』では試験の全体像を理解して頂くために、受験資格や試験内容、インテリアコーディネーターって何?など基本的な事柄から説明します。
インテリアコーディネーター試験について名前だけしか分からない人も理解できるように記載しているので、必要に応じて読みとばしてください。
インテリアコーディネーター試験とは?
公益社団法人インテリア産業協会が実施している試験です。
インテリアコーディネーターとは住まい手にとって快適な住空間を作るために適切な提案を行う人を指します。
1983(昭和58)年に第1回試験が実施され、1984(昭和59)年から資格制度が開始されました。
当時示されたインテリアコーディネーターの定義は「インテリアエレメントの流通過程において、消費者に対し、商品選択とインテリアの総合的構成などについて、適切に提案を行う人」で、現在も同様と考えて差し支えありません。
試験について
受験資格
年齢、学歴、実務経験に関係なく、誰でも受験することができます。
試験方式
1次試験の学科試験(マークシート)と2次試験の実技試験(プレゼンテーション+論文)があります。
1次試験の合格者は合格した次年度から3年間は1次試験が免除されます。
たとえば、2020年の試験を受け、1次試験に合格したものの2次試験に落ちてしまった場合、2023年の試験までは2次試験から受験できます。つまり、1次試験に受かった年を合わせて、2次試験を受けるチャンスは4回あるということです。
受験申込と受験料(下記3パターン)
基本(1次+2次)タイプ
¥14,850-(消費税含む)
1次+2次試験の両方を受験する方法で最も一般的な申し込み方法。
初受験の人はほとんどがこれ!!
1次試験先取りタイプ
¥11,550-(消費税含む)
1次試験のみを受験する申し込み方法。①の基本タイプの場合で1次試験に落ちると、2次試験の金額が無駄になってしまいます。そこで、少し割安で一次試験先取りタイプが設定されています。
受験を考えているけど、勉強する時間があまりなく自信がない方や1次試験は今年受けるけど時間の都合上2次試験は受けない方など対象。
2次試験専攻タイプ
③ ¥11,550-(消費税含む)
2次試験のみを受験する申し込み方法。既に1次試験を合格されている方で2次試験のみを受験される方が対象。
試験会場は?
札幌・盛岡・仙台・高崎・東京・名古屋・金沢・大阪・広島・高松・福岡・沖縄
居住地に試験会場が無い場合は、最寄りの試験会場で受験することになります。
試験日と申し込み期日は?
[受験申し込み期間]
例年7月下旬~8月下旬
[試験日]
1次試験:例年10月中旬
2次試験:例年12月初旬
[合格発表]
1次試験:例年11月上旬
2次試験:例年2月中旬
一次試験概要:学科試験(マークシート)
[試験形式]
マークシート 50問
[試験時間]
160分
実際に受験した感覚ですが、余裕をもって解けました。
[試験内容]
試験の範囲 | 審査基準 |
1. インテリアコーディネー ターの誕⽣とその背景に 関すること | インテリアコーディネーター誕⽣の背景となった住まいへの意 識変化や住宅・インテリア産業の発展の経過、その後のインテ リア産業の進展とインテリアコーディネーターの職域の拡⼤等 に関する基礎知識を有していること。 |
2. インテリアコーディネー ターの仕事に関すること | インテリアコーディネーターとしての役割、職能、必要な実務 内容・⼿順および職域等に関する基礎知識を有していること。 |
3. インテリアの歴史に関す ること | 古代から現代に⾄る⽇本及び⻄洋のインテリアの歴史に関する 基礎知識を有していること。 |
4. インテリアコーディネー ションの計画に関するこ と | インテリアコーディネーションのための基本的な検討事項(⽣ 活像、規模計画、⼨法計画、⼈間⼯学、造形原理、⾊彩計画、 安全計画、性能計画、維持管理)、⽣活場⾯の構成⼿法、リフ ォームの計画等に関する基礎知識を有していること。 |
5. インテリアエレメント・ 関連エレメントに関する こと | インテリアエレメント(住宅家具、造作部品、システム・ユニ ット製品、ウインドートリートメント、カーペット、インテリ アオーナメント等)、各種品質表⽰、エクステリアエレメント 等に関する基礎知識を有していること。 |
6. インテリアの構造・構法 と仕上げに関すること | 建築の構造・構法、インテリア(床・壁・天井)の構法、造作と 造作材、機能材料と構法、建具、仕上げ材と仕上げ等に関する 基礎知識を有していること。 |
7. 環境と設備に関すること | 室内環境(熱、湿気、換気・通⾵、⾳、光)、住宅設備(給排 ⽔、換気・空調、⾃然エネルギー、電気、照明、⽔回り設備機 器)に関する基礎知識を有していること。 |
8. インテリアコーディネー ションの表現に関するこ と | 建築等設計図書、⼆次元・三次元表現技法、CAD表現・レン ダリング、プレゼンテーションに関する基礎知識を有している こと。 |
9. インテリア関連の法規、 規格、制度に関すること | インテリアに関連する建築・住宅、省エネ・環境・リサイク ル、⾼齢者・障害者配慮、品質・安全性等分野の法規制・規 格・制度・表⽰に関する基礎知識を有していること。 |
二次試験概要:実技試験(プレゼンテーション+論文)
[試験形式]
依頼主の要望を確認して、その方に図面(プレゼンテーション)と文章(論文)で提案するという形式。
[試験時間]
180分
時間配分は、概ねプレゼンテーションで2時間、論文で1時間と考えれば良いです。
[試験内容]
試験の範囲 | 審査基準 |
1. プレゼンテーション | インテリアの基礎知識をもとに、住まいなどのインテリアに関 する与えられた課題について、与条件を理解した上でインテリ ア計画を⾏い、図⾯作成や着彩により必要な情報を分かりやす く表現し、伝達できる能⼒を有していること。 |
2. 論文 | 住まいなどのインテリアに関する与えられた課題について、イ ンテリアコーディネーターとして、これを理解し、判断した上 で、的確な解答を⽂章で明瞭に表現できる能⼒を有しているこ と。 |
1. プレゼンテーション
依頼主に説明するための図面作成のことです。例年、平面図、立断面図、アイソメ、パースなどが出題されます。
2. 論文(600字程度)
依頼主の要望をどのように具体化するかを論文形式で示すことです。プレゼンテーションと関連がある場合と無い場合があります。
また、内容としては「リフォーム系」と「インテリアコーディネーター系」のどちらかです。
リフォーム系とは言葉通り、リフォームを前提とした提案です。コーディネーター系は明るい雰囲気やモダンにしたいなどと依頼された場合の提案です。