この記事の概要
ここでは、建築系のおすすめの資格として建築設備士を紹介します。どのような人が取得されているか、受験資格はどのようなものか、独学で合格可能かなどについて説明します。
建築設備士とは?
建築士と同じ公益財団法人 建築技術教育普及センターが実施している試験で国家資格です。
建築士法では下記のように定められています。
建築士が延べ面積2,000㎡を超える建築物の建築設備に係る設計又は工事監理を行う場合には、建築設備士の意見を聴くように努めなければならない(建築士法 第18条4項)。
つまり、建築設備士は建築設備全般に関する知識及び技能を有し、建築士に対して、高度化、複雑化した建築設備の設計及び工事監理に関する適切なアドバイスを行う資格者です。
試験概要
受験資格
受験資格は、①学歴と実務経験、②資格と実務経験、③実務のみによって分けて設けられています。
①学歴と実務経験
所定の課程をもつ大学を卒業している場合は2年以上の実務経験が必要。
②資格と実務経験
一級建築士、一級電気工事施工管理技士、一級管工事施工管理技士、空気調和・衛生工学会設備士、第1種・第2種または第3種電気主任技術者の資格を持っている方は2年以上の実務経験が必要。
資格取得の前後は問わず、通算の実務経験年数が2年以上。
③実務経験のみ
9年以上の実務経験が必要。
実務経験
実務経験として認められるもの | ・設計事務所、設備工事会社、建設会社、維持管理会社等での建築設備の設計・工事監理(その補助を含む)、施工管理、積算、維持管理(保全、改修を伴うものに限る)の業務 ・官公庁での建築設備の行政、営繕業務 ・大学、工業高校等での建築設備の教育・研究 ・大学院、研究所等での建築設備の研究(研究テーマの明示を必要とします) ・設備機器製造会社等での建築設備システムの設計業務 |
実務経験として認められないもの | ・建築物の設計・工事監理、施工管理等を行っていたが、このうち建築設備に関する業務に直接携わっていなかった場合 ・単なる作業員としての建築設備に関する業務(設計図書のトレース、計器類の監視・記録、機器類の運転、その他工事施工における単純労働等) |
試験内容
試験は1次試験と2次試験の2部構成です。
1次試験は四肢択一の学科試験、2次試験は記述および製図の実施試験です。
試験の申込みはいつ?申込みの方法は?
申込みは例年3月初旬~3月下旬に行われています。
また、試験の申込は①郵送による受付と②インターネットによる受付の2種があります。
インターネットによる受付の方が期限が1週間程度早く設定されています。
受験手数料は?
受験手数料は、¥3,6300-
1次試験合格済の方で2次試験から受験される方も手数料は同じです。
試験場所は?
試験場は札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪府、広島市、福岡市の中から選ぶことになります。
※沖縄県の受験者は1次試験のみ沖縄県内で受けることができます。
試験日はいつ?
1次試験 6月中旬 (令和2年度は6月21日)
2次試験 8月中旬 (令和2年度は8月23日)
どのような人が受験してるか?
令和2年度の1次試験、2次試験の合格者の職業別の構成比をみると、建設会社、空調・衛生設備工事会社、建築設計事務所と多いことがみてとれます。
合格率
1次試験・2次試験を通じての合格率は20%弱と決して高くありません。
1次試験・2次試験別に合格率をみると、1次試験は30%前後、2次試験は50%程度です。
独学での取得は可能か?
私自身受けたことがある訳ではないので、分からないことも多いですが、難易度はやや難しいといったところかと思います。
1次試験については独学でも可能と考えています。
専門的な試験ですので、受験される方はある程度の知識をもっている方々です。なので、勉強方法としては過去問を解きながら、適宜テキストで確認をしていくのが良いと思います。
過去問は問題数と解説内容が重要です。
解説内容がしっかりしているものだとテキストの確認回数が減るので効率的です。一方で、解説の内容が多すぎると問題数が減るのでバランスが大事です。
解説を理解できるかどうかは知識量にもよるので、一度、書店で内容を確認してから購入するのが良いと思います。
2次試験はできれば資格学校に通う方が良いと思います。
理由としては、製図試験は合格するためのコツのようなものがいくつかあるので講師に直接聞けるメリットは大きいです。
独学の場合、分からないことがそのままになってしまう可能性があります。
この試験は私自身、受ける可能性が高いので、受験した際は情報を紹介します。
さいごに
ここで記載している内容から変更されている場合があります。
受験を考えられている方は公益財団法人建築技術教育普及センターで詳細を確認してください。
また、間違いに気づかれた方はお教え頂けますと幸いです。